【メモ】 |
旭岳温泉:
30余年ぶりの旭岳温泉はずいぶん立派になっていました。昔は勇駒別温泉といわれていて、エゾマツ林の中に山小屋風の宿舎が建っているだけの寂しい温泉でしたが...。
宿泊した白雲荘はこぢんまりしてじつに気持ちの良いで宿で、マスターが気さくで元気、私たちはすっかり気に入ってしまいました。
次は仲間を引き連れて来ますからね、と(アテもないけど(^^;
)約束して宿を出ました。
新装なったロープウェイで一気に姿見池へ。平地と頂上は共に雲の中で中層のこの標高あたりだけガスもなく、たぶん裾合平や沼の平付近でしょうか、小さな湖沼が輝いています。合い向かいには夕張岳方面の山々も遠望できました。
旭岳:
旭岳を目指して登り始めるとすぐにガスに包まれました。活火山のガレたコースで見るべき花もないとあっては展望なければただの体力テストも同然なことになるわけで、ツレはなかなか合目標識が進まないのに腹を立ててもう頂上の標高をとっくに超えてるはずだと言い出す始末。(^^;
頂上は強風のガスの中。三角点にタッチして、証拠写真も同然な標識の前でのスナップを撮ってそそくさと退散しました。これじゃまるで百名山オヤジか1等点マニアだと苦笑い。
クモマユキノシタ |
旭岳頂上からザレた急斜面を駆け下り雪渓を抜けるといよいよたくさんの花が咲き乱れる別天地となりました。間宮岳にかけては湿性、乾性のお花畑が交互に現れて歓声の連続です。ただ視界が悪く花の広がりが実感できません。
間宮岳から白雲方面への道を分けると平坦で広大な尾根となって乾性お花畑が続いていました。クモマユキノシタとエゾルリソウが群生してちょっと壮観です。ガスで気付きませんでしたが目を凝らすとコマクサがあちこちに見られます。やはりここでも花を見られる範囲がせいぜい5mから10mというところで残念至極。右にお鉢平、左に裾合平の大展望が広がっているはずですが、こちらも残念至極。
中岳温泉のエゾノリュウキンカ:
エゾノリュウキンカ(中岳温泉) |
中岳分岐で道を左にとって中岳温泉へ急下降。温泉といっても沢の中に自然に湧き出しているだけの湧出口ですが、まさに野趣満点。何人か温泉に浸かって楽しそうに遊んでいましたが、時間のない私たちは温泉の下流のエゾノリュウキンカ群落を探そうと素通りしました。でもエゾノリュウキンカは探すことなどなくて流れの中に鮮やかな花を群れ咲かせていました。ガスの中にそこだけ華やいで一瞬陽光の中にあるような錯覚をしてしまいそうです。
広大な群落というほどでもなく長年思い描いていたのとはちょっとだけ違ってはいましたが、それでもなんという鮮やかさ。楽しい気分で中岳温泉を後にしました。
裾合平:
チングルマ(裾合平) |
温泉からわずかに下るといよいよ裾合平の一角です。まずいきなりエゾコザクラの大きな群落がお出迎え。先日来の大雨ですっかり花はうなだれてしまっていましたが、それはそれで可愛い風情です。
湿原全体が緩傾斜の谷間にあるという話ですが、ガスに隠されて全体像はつかめません。でも湿原の核心に進むほどにチングルマの花密度はいよいよ濃くなり、なるほどこれが裾合平のチングルマ大群落かとちょっと感激気味。ただやはり先日の大雨のせいか思い描いていた光景、つまり一面花で埋め尽くされて真っ白というほどでもなく、自然の造形はまあこんなくらいのものかなというような妙な納得をしてしまいました。とはいうもののやはりここの花々は感動モノです。
帰りの水平道はアップダウンがなかなかつらい:
姿見池と愛山渓を結ぶ道に出てコースを左に取りいくつか雪渓を越えたりしながら姿見池まで約1時間半。エゾイソツツジが咲き乱れるすばらしい楽しい道ですが、地形図から予想していたラクチンコースどころかアップダウンがけっこうきつくなかなか大変です。
うんざりするころやっと姿見駅にたどり着きましたが、観光客の中に紛れ込むので濡れたウェアを脱いで靴をきれいに洗ってとまたまた最後に気を遣わねばなりません。濡れたまま我が物顔で平気でリフトやバスに乗り込むハイカー、これが分別盛りの中年かとがっかりさせられることがありますからね。
このロープウェー、6月25日に改修開通したばかり、できたてのほやほやです。記念に降り口でプレゼントのケーキを配っていました。旭岳パウンドケーキだって。(^^)
大雪山花図鑑
イワブクロ・間宮岳 |
キバナシャクナゲ・旭平 |
エゾタカネスミレ・中岳分岐 |
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