目次
高鈴山 神峰山 たかすずやま 623.3m かみねさん 587.1m

太平洋を見下ろす
日立の山

2012-12-9
高鈴山と神峰山は日立市街の背後にまるで日立を守るような位置に峰を連ねています。当然ながら太平洋が一望、沿岸を航行する船舶まで手に取るように見えます。
また振り返れば奥久慈や茨城北部の特徴ある山々が延々と続いて独特の景観を見せてくれます。展望良し、樹林の景観良しの日だまりを縫って歩くこのコースは冬のハイキングコースとして人気のようでたくさんのハイカーに会いました。

2018-1-27(雪の高鈴山はこちら)
前週、関東一円に大雪が降ってどこに登るにしてもアプローチを含め困難な状況になりました。それでも登るのだ、と意気込んで決めた行き先は日立の高鈴山。太平洋岸でもありますし温暖な地方でもあるので雪もたいしたことはないはずと踏んだのですが、予想に反して太平洋岸もけっこうな積雪で雪中ハイクとなりました。

   高鈴山頂上       御岩山頂上
【日程】 2012年12月9日
2018年1月27日(こちら)
【山域】 常陸の山(多賀山地)
【天候】 快晴

【アクセス】 日立中央ICから日立有料道路経由で県道へ右折。道なりに本山トンネルの先へ。トンネル先の左側に駐車場。
【駐車地】
十数台駐車可。
【コース】
駐車場 - 旧道 - 旧トンネル(コンクリート遮断) - 御岩山 - 高鈴山(往復) - 神峰山分岐
- 神峰山(往復)

グレード 一般向き
全行程 4.5時間
【メモ】
2012-12-9
さして急登もない尾根道:
落ち葉を踏んで
 

まずは駐車地から旧道へと進みます。ゲートで遮断されていますがくぐり抜けるか脇を通ればそのまま舗装道を登って行けます。
500mほど登ると旧道が途切れます。茨のヤブの先に旧トンネルの跡がありますが現在はコンクリートで塞がれています。
道は右に折れ、すぐに左手に神峰山方向への分岐があり登山道が上がっていきます。まずは分岐を見送り高鈴山方向へ。
すぐに道は日鉱敷地へ下りますがこちらはゲートで阻まれ、登山道が右斜めに登っていきます。ここから山道になりますが広くて良く整備されていますので狭い林道を歩く感じです。たいした登りもなくだらだらと道が続きます。最初こそ周囲は荒れたヤブですがやがて落葉樹林となりそれらの木々に混じってアセビが目立つようになります。これほどアセビが多いのは太平洋が近い影響で冬でもそれほど厳しい低温にはならないからでしょうか。
御岩神社分岐を過ぎると道は小さな登降を繰り返し、時々巻き道をたどったりしながら徐々に高度を上げ、右手に豪快な岩場を見て程なく御岩山頂上に登り着きます。アセビなど樹林に囲まれた変哲のない高みで山名板がなければ通り過ぎてしまいそうですが御岩山そのものは実は岩峰で頂上は岩壁の上に位置しています。頂上の背後のその岩壁の上が展望岩で奥久慈方面の景観が一望です。うねうねと連なる準平原的な山々の中で男体山の姿が特徴的です。
道はさらに尾根通しだったり巻き道だったりあるいは巻き道と尾根道が並行したりしますが、初めてなので下山道に入ったりすると困ると思い律儀に尾根を歩きました。結果的には尾根道より巻き道の方が良く歩かれているようで、選択としては良く踏まれている方の道を歩いた方が良いかもしれません。
やがてアセビのトンネルとミヤコザサが特徴の樹林となるといきなり舗装道に飛び出し、すぐにアンテナやレーダーの林立する高鈴山山頂です。
素晴らしい眺めです。展望テラスがあって北側の眺めを満喫できます。なんと言っても茨城北部の海岸と太平洋の広さが印象的です。遠く小名浜あたりまで届く展望です。
レーダー雨量観測所
内陸に目をやると準平原にも似たほぼ平坦に見える阿武隈山地南縁の山々が連なっています。たぶん土岳や堅破山などを見ているはずですがほぼ真っ平らに見えてどこがどれやら皆目わかりません。はっきりわかる存在と言えば風力発電風車群のある里美牧場と優美な姿の八溝山と高笹山、それに木々やアンテナ群に邪魔されて限られる視界の端に見える奥久慈男体山くらいなものです。この茫漠とした準平原様の山々が阿武隈南縁から常陸北部に続く山々の特徴であり魅力であると言っていいかもしれません。
展望テラスからの展望の他にも太平洋が見える場所があります。展望テラスからレーダー方向へ進むと左手に太平洋が広がって見えます。この山頂から見ると地球の丸さが感じられる気がします。
なお、この頂上で最大の建物はレーダー雨量観測所ということです。


     小名浜方面の海岸線

      準平原のような茨城北部の山々

神峰頂上の神峰神社

神峰山へ:
高鈴山の展望を心ゆくまで楽しんだら振り出しの旧トンネル前まで戻り、分岐した登山道を一気に登ります。
最初こそ急登ですがすぐに平坦道となりあとはしばらくほぼ平らな道を坦々とたどるようになります。
周囲は気分の良い落葉樹林で、とりわけ左手のなだらかな谷と尾根が良く自然の林相が保たれていて好ましい景観です。このあたりはかつて日立銅山の煙害で山が荒れたためオオシマザクラやヤシャブシを植林したということです。今もそれらが老木になって残っています。特に荒れ地に最初に進出するヤシャブシは普段若木しか知らないのでごつごつとした老木はまるで別の樹種のように見えます。
ときどきコンクリート製の構造物に出くわしますが戦争当時の軍事施設の跡かとも思いましたが帰ってから調べてみたらどうやらこれは鉱山施設の残骸のようです。索道でもあったのでしょうか。(太平洋戦争末期、日立は激しい艦砲射撃に晒されたそうです。)
尾根を歩いていると時々目指す神峰山を仰ぐことのできる場所があり、見上げると頂上はかなり先に見えます。しかし距離はあっても尾根道はほぼ平らなのでスタスタと足がはかどってあっという間に神峰山直下まで着いてしまいます。最後だけは我慢の急登、わずか頑張るとひょっこり目の前に神社が現れます。神峰山神社です。そのすぐ先が神峰山頂上、太平洋と日立市街が目の下です。
周囲は茨が茂って、また壊れた百葉箱や雨量観測所のフェンスなどが雑然とひしめいてあまり清々しい場所ではありませんが、それらを差し引いても太平洋の広さと近代産業の歴史そのものを見るような日鉱の姿はここならではの景観です。
至近に大煙突が蒸気を吐いていました。なんだか目の前にある大煙突記念レリーフとはずいぶん違ってずんぐりしていると思ったら地元ハイカーの話によればかつてはレリーフのままの姿だったのが平成5年に倒壊して今の姿になってしまったらしいです。
この頂上の日だまりでゆっくり昼食としました。眼下に広がる太平洋にはフェリーらしい客船がゆったりと航行して遠目にはのどかな眺めですが双眼鏡を覗くとこの強風で海面には白く波頭が立ってかなり荒れている感じです。私たちも寒風が吹き始めたのを機に下山にかかりました。
急坂も少ないため駐車地まではあっという間に下ることができました。


      神峰山頂上から大煙突と日立市街 その向こうに太平洋

      アセビの尾根道

2018-1-27
雪を踏んで

雪を踏んで:
前週の大雪の影響が残って北関東道は速度規制が掛かっていました。
山道に入るとそこから頂上までずっと雪を踏んで歩くことになりました。降雪後に入山したハイカーはわずかでまだ雪が踏み固められていることもなく真っ白な登山道をさくっさくっと小気味よく歩くことができました。
御岩山からは奥久慈が、頂上展望テラスからは常陸北部の山と太平洋が眺められます。内陸住まいの山とんぼは山から見る海にはいつも興奮です。(^_^;

      高鈴山頂上

      神峰山と太平洋
【便利帳】 トイレ:高鈴山頂上 
【収穫】(^_^; 2012-12-9 21片 90g
2018-1-27 3片 10g 
【寄り道】 ひたち南ドライブイン シーフードショップ・トビタ 
  魚市場風のショッピングセンターです。
  驚く安さです。納豆12パック100円には驚くを通り越して大笑い。(^_^; 
  もちろん納豆はついでの商品で、魚介がメインです。一同、瞬時に買い物モードに転換。
日立おさかなセンター
  お魚の買い物の他に味勝手丼などの食事が人気です。

目次