【メモ】 |
ブナの巨木
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工事中で車道歩き:
車道を走っているうち何カ所かに通行止め案内があったとおり、通常は車で行けるという二の鳥居から約1.5kmほど手前で進入できなくなりました。拡幅工事とのことです。路肩に駐車して二の鳥居まで車道歩きするしかありません。
一の鳥居で左に分かれる道に入りますが、ここから少し荒れた道となります。もちろん私たちは歩きですから問題ありません。
一の鳥居をくぐって登る山道もありますがすでに歩く人もいないようです。
しばらく歩くと二の鳥居に着きますが、広場になっていてベンチ、トイレなどがありここで登山の身支度を調えるのに好都合です。
二の鳥居をくぐって登ることもできますが、茨に覆われていますので数m先に付けられた新たな登山道に入ります。
なだらかな登山道脇に大石が次々と:
植林地内の登山道(参道)を登って行くと最初に不動石が現れます。石の上にお不動様が祀られています。さらに烏帽子石、畳石、手形石など次々と大石が現れます。烏帽子石は見ようによっては烏帽子に見えなくもない形、畳石は幾層かに重なって畳を積んだような形、手形石は側面の凹みが手形のように見える形から名付けられたようです。それらの名前のついた石の他にも林内のあちこちに大石がごろんごろんと転がっているのが見られます。
手形石のあたりからやや急な登りとなって、このあたりからスギ、ヒノキにブナなどの広葉樹が混じるようになります。スギとブナが混生しているのは珍しいかもしれません。
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太刀割石の間隙を通ってデカさを実感
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一見の価値、太刀割石:
ブナの巨木が現れてくるとやがて弁天池。薄暗い林内にある小さな池です。傍らにベンチがあり休憩地となっています。
右手上方の階段を登ると仁王門がありますがそちらに行くと太刀割石に行けないのでここからは左方向の登山道を登ります。
登り始めるとすぐに前方に巨大な玉石が真っ二つに割れた不思議な姿を目にします。よくもこうすっぱりときれいに割れたものです。割れた二つの半球の大石は左側は横倒しになり右側はそのまま立っています。そのパッカン、ゴロンと分割された瞬間を目にした人はいないわけですが、その瞬間を思うと愉快な気がします。
太刀割石からぐるっと大回りするように進むと先ほどの仁王門の上に出ます。このあたりはブナの巨木が多く、中にはごつごつとした樹形の老木もあって圧巻です。ただ、ブナの森というわけではなくスギ、ヒノキなどに混じっているので他所のブナの森のような雰囲気はありません。
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山上とは思えない立派な黒前神社:
黒前神社拝殿
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ブナの巨木をカメラに納めながらなだらかな道を辿るとひょっこりと平地に出ます。立派な神社があり、これが黒前神社かと思いましたが釈迦堂でした。釈迦堂というのに造りは神社そのものです。たぶん神仏混淆の歴史の流れを引いているのでしょうか。
釈迦堂の前には甲石、舟石があります。舟石はまるで舟そのものの形で半ば土に埋まっています。
傍らには黒前神社寄進者の石塔が建っていますが、銘を読むとなんと五百万円、三百万円などの金額が刻まれていて、この神社の隆盛がわかります。
釈迦堂左手から山上に向かって急な石段が一直線に登って行きます。この石段を登り詰めると頂上で、とても山上とは思えないほど立派な黒前神社が建っています。
この神社のある頂上からわずか前には三角点ピークがあり、堅破山はあまり顕著な二つ山ではないながら双耳峰の形をしています。
舟石
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頂上展望台より土岳頂上草原
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展望塔から準平原のような常陸の山々の展望:
三角点ピークには螺旋階段のついた展望塔が建っています。日光方面のみは樹木に邪魔されますが、ほぼ全方位の展望です。
隣の土岳がその頂上草原まではっきり見えます。その前には太平洋も広がっています。ほかは常陸の山の特徴のただただなだらかな低山が続きじつにのどかな景観です。
しかし、景観はのどかでもずいぶん北に位置する山の頂上とあって吹き付ける風はとても我慢できないほどの冷たさです。シャッターを押そうと手袋を外すとたちまち指先の感覚がなくなってしまいました。
頂上から150mほど下っていくと胎内石があります。
帰路は往路を戻ります。三角点ピークは右側に、黒前神社は左側に巻き道があります。また、往路では寄らなかった仁王門を通って弁天池に下りられます。
結局この日会ったハイカーは親子連れ3人のみでした。この寒さもあってか、あるいは入山点の交通が不便なためか、静かな山行が出来ました。
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