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  要谷山  ようがいさん 400m

根古屋森林公園として整備された飛駒の守りの山城跡

飛駒の里はぐるり山に囲まれた山里です。南に向かって彦間川の狭い谷が抜けていますが東西北の三方は山に守られた地形になっています。西に多高山、北にのこぎり山、そして東に要谷山の三山です。いずれも低山ではありますが飛駒から見上げるとなかなか大きな根張りのピラミダルな姿をしています。なかでも要谷山は根古屋森林公園の一角として整備されていてファミリー向きの恰好のハイキングコースとなっています。
要谷山の名は各地にある要害山と同じ系統の山名で、さらに麓が根古屋ですから当然ながら山城(砦)跡ということになります。
また、公園内の歩道するすみの道、いけづきの道の名にとったするすみ、いけづきは宇治川の合戦で先陣争いをした名馬でともにこの飛駒の地が生まれ故郷と言われています。飛駒、閑馬の地名の由来もこの伝説の一節です。(あくまで伝説で、他地方にもするすみ、いけづきの生まれ故郷と謂われている土地はいくつかあるらしいです。)
【日程】 2008年12月23日
【山域】 安蘇
【天候】
【アクセス】 田沼(佐野市)からなら田沼桐生線、足利からなら須花トンネル経由で飛駒へ入り、番場で梅田(桐生)への道を左に分け直進すると右手に根古屋森林公園。
【駐車地】
根古屋森林公園に広い駐車場。
【コース】 根古屋森林公園駐車場 − キャンプ場 − するすみの道 − 要谷山 − いけづきの道(北尾根) − 林道
− 根古屋森林公園
約1.5時間 初心者向き
            要谷山頂上

        落ち葉を踏んで するすみの道

             根本山神社

【メモ】 静かな根古屋森林公園:
森林公園から見上げる要谷山
暖かい季節にはバーベキューや根古屋亭の蕎麦を目当てに訪れる人も多い根古屋森林公園ですがこの季節は人影もなく寂しいものです。
駐車場からは目指す要谷山を真正面に見上げることができます。
コースはいくつかありますが最も大回りとなるするすみの道−頂上−いけづきの道のコースとしました。するすみの道は園内のバンガローとバーベキュー広場の間を抜けて園地の道から徐々に山道となりそのまま主尾根の道となります。道はずっと階段状に整備されていて歩きやすく汗をかく間もなく稜線に達してしまいます。

山頂から樹間の展望:
稜線の道をしばらくたどると神社があり、その地点から下山の道が分岐しています。この道はこんぴらの道と言うことですのでこの神社は金比羅宮なのでしょうか。
神社から一登りであっけなく頂上に達します。いかにも山城らしい段状の地勢です。最上段の頂上は小広い平地となっています。
展望図があり周囲の山々が図示されていますが、残念ながら木々に阻まれてそれらはよく見ることができません。わずかに飛駒の里や向かいの多高山が望める程度です。
頂上には亜高山に育つイヌブナの木が数本あって低山とはいえそもそも麓の飛駒の里がそれなりの標高であることがわかります。
犬の鳴き声や子供の声など里の生活の音が届く日だまりでゆっくり昼食にしました。

広葉樹林の美しいいけづきの道
いけづきの道:
頂上からはせんげんの道といけづきの道とに分かれますがせんげんの道は直接森林公園に下山するようで、それではあまりにあっけないので北の尾根をたどるいけづきの道から下山することにしました。
頂上からわずかに西に回り込むようにして北側の尾根に出るとやっと山歩きらしくなって、あとはなだらかな落葉樹林の中の気分よい道を快適に歩けます。このコースをとらないとあまりにあっけなく終わってしまいそうで、ハイキングのつもりならするすみの道、いけづきの道とつないで最長コースをとるのをオススメします。(といってもファミリーコースです。)
やがて林道に飛び出したらそのまま林道をのんびり歩くと森林公園に戻れます。

灯台下暗し 根本山神社:
森林公園まで戻って駐車場脇の絵地図をちらっと見たら根本山神社の里宮が描かれていました。でも位置がどうもはっきりしません。公園の外へ出てから見当を付けてしばらくウロウロ探しましたが見あたらず(聞こうにも道に人がいません。田舎道はどこもそんなです。)諦めて帰ろうかとクルマを走らせたところで道におばあさんがいたので聞いてみました。ちょっとこれから行くのは無理だけど里宮があるよ、と、そのおばあさんは根本山上の根本山神社と思ったようです。もちろん根本山まで行く気じゃなくてその里宮を探してるのでその里宮を聞いたら、なんと、今しが
奉根本山神広前 各地からの奉納が記されている
たいた森林公園の中にあると言うではありませんか。絵地図にもっとはっきり位置が描いてあったらすぐにわかったのに。(^_^;
私もずっと前からそこに神社があることは知っていたんですが、根本山神社だったとは。(あるいは若い頃知っていてすっかり忘却していたのかも知れません。)
どうも知識が不確かですが、ふつう根本山上の根本山神社と言ってるのは十二山根本山神社で、根本山神社というのはたぶん桐生川源頭の断崖上の神社だったような気もします。この里宮がどちらの里宮か、はたまた十二山根本山神社と断崖上の根本山神社の関係は。べつに研究してるワケではないのでいいんですが、このあたりのことはどうもよくわかりません。
いずれにしても里宮はけっこう立派な神社で、驚くのは寄進者の名前を見ると安蘇郡各町村、足利郡各町村の近在ばかりか関東一円の人々の信心に支えられていたことがわかります。
これでまた里宮から奥社までつないで歩くという楽しそうな山行ができそうです。けっこうたいへんそうですが。

なお最近は根本山の読みを「ねもとやま」とする例が多いのですが、山名はともかく神社は「ねもとさんじんじゃ」と読むようです。
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