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残馬山 三境山 ざんまやま 1107.45m さんきょうさん 1088.0m

桐生川と渡良瀬川の流域を分かつ尾根

桐生川と渡良瀬川の流域を分かつ残馬山、三境山。
樹林に覆われて展望も得られず凡庸な山ですがこの時期だけ新緑とツツジの花々でぱっと鮮やかに輝きます。
連休初日はこれ以上ないほどの快晴。ちょうど芽吹きが出そろったところで尾根筋は淡い緑に包まれ、その中にたくさんのミツバツツジの花叢が見られました。他にも咲き始めのシロヤシオ、咲き残りのアカヤシオ、遅咲きのヤマザクラもちらほら散見できます。
なのに、こんな素晴らしい一日、出会ったのは残馬山で単独で歩いていた1人のみ、なんとももったいない話です。

関連ページ
残馬山 http://www.kimurass.co.jp/zanmayama.htm
三境山・たぬき山 http://www.kimurass.co.jp/tanukiyama.htm
三境山西尾根 http://www.kimurass.co.jp/sankyounishione.htm


            残馬山頂上

       三境山頂上
【日程】 2018年4月28日
【山域】 安蘇山塊核心部
【天候】 快晴

【アクセス】 国道122号から草木ダム上を渡り対岸で丁字路を左折、草木湖運動広場前から戻るように右折して三境林道へ。
【駐車地】

三境トンネル手前に空き地。3台程度。
駐車地が登山口です。すぐ先に湧水があります。
【コース】
駐車地 - 尾根 - 残馬山(往復) - 三境山(往復) − 駐車地
実行程約4.5時間 一般〜やや健脚向き


【メモ】
トウゴクミツバツツジ満開:
トウゴクミツバツツジ

草木ダムから桐生梅田に通じる三境林道は所々に落石がそのまま放置してあったり路肩が崩壊した箇所があったりして油断がなりません。
ただ、それらに気をつけさえすれば行き交う車も少なく、新緑を楽しみながらのんびり走れます。
トンネル手前の空き地に2,3台は駐車できます。その空き地の奥が登山口で、付近にはミヤマキケマン、ムラサキケマン、ネコノメソウ、ヤマブキソウなど春の花が見られます。そこから緩い登りの先に大石の重なる涸れ沢の急登が待っています。
その上部の植林地の急登をしばらく我慢すると崩れた石祠のある尾根の鞍部に達し、右に登れば残馬山、左に登れば三境山への尾根道です。
私たちはまず残馬山へ。
芽吹きの直前に三境山の登路から振り返ると残馬山の斜面にはアカヤシオがびっしり咲き誇っているのですがここまで新緑が進んでいるのではもうその花時期は過ぎているようです。地面にはたくさんのアカヤシオの花びらが落ちていてたぶん1週間くらい前なら楽しめたはずです。でも、その代わりアカヤシオに続いて花期を迎えるトウゴクミツバツツジが艶やかに樹林を彩ってにぎやかです。
登路は岩を縫ったり狭い岩尾根を通過したりとけっこう楽しい道で、林道や鞍部付近から見たもっそりとした山容の印象とはかなり違っています。ただし尾根全体にわたって展望はあまり期待出来ません。樹間から西、北方面の赤城、足尾、日光が覗ける程度で、反対の東、南の方角はずっとヒノキの植林地でまったく展望はありません。

日光白根山
残馬山頂上:
登り着いた残馬山は樹林に囲まれて展望もなく静けさだけが魅力というような地味な頂上です。
頂上からは薄い道形が尾根上に二手に分かれます。直進すれば大茂(だいもん)方面へ南進する尾根へ、右に折れると岳山、座間峠方面への主脈が延々と鳴神山、吾妻山まで続いています。
その岳山方向へ100mほど進むと唯一の展望地があります。樹林の切れ目から足尾方面が一望です。袈裟丸山から皇海山に続く山並みがじつに雄大です。かつて歩き回った袈裟丸の尾根筋の一つ一つが手に取るように見えて懐かしい気分で時を忘れてしまいました。
袈裟丸山、皇海山
 
三境山へは往路をそのまま最初に尾根に登り着いた鞍部まで戻ってそこから新たにもう一山、気分はちょっともういいかな的に萎み気味ですがむりやり気合いを入れ直して再度出発です。(^_^;

三境山頂上:
三境山大岩帯

三境山への尾根道もトウゴクミツバツツジが満開で、その花を楽しみながら新緑の中を登ります。南斜面になりますから新緑もさらに鮮やかでまさに春真っ盛りです。
山頂が近くなると大岩が目立つようになります。地中から頭を出してしっかり露岩になっている場所もあり、また大石がごろんごろんと折り重なって不安定な大岩帯になっている場所もあります。
この大岩帯は左手の三境山西斜面一帯に広がっていて頂上西直下はこの大岩が断崖を形成しています。以前西尾根から直登しようとしたことがありますが不安定な大石の重なりとほぼ垂直の断崖で登ろうとしてもとても登れるものではなくやむなくトラバースさせられた経験があります。
登り着いた三境山頂上は小広い平地で三角点、石祠、山名板がありところどころ岩が頭を出して休憩にちょうど良い具合になっています。周囲にトウゴクミツバツツジや山桜が咲いて優しい雰囲気に包まれていますのでまさか周囲が険しい断崖とはとても思えません。
こんな素晴らしい場所というのに相変わらす登頂してくる登山者もなくもったいない限りです。
ヤマツツジ
下山は来た道をそのまま駐車地まで戻りました。
林道にはヤマツツジがちょうど満開であちこち朱の塊を見せてくれました。
ヤマツツジは花色が白っぽく褪めた花と真紅に近い花とがあるようで、それが個体差なのか開花からの時間差なのかよくわかりません。毎年気に掛けて見ていますがどうも最初から白っぽい花もあって開花からの時間差ばかりとは言えない気もします。
レンゲツツジなどが生育していない低山ではアカヤシオから始まりミツバツツジ、シロヤシオと続いてきたツツジの季節もこのヤマツツジで最後です。と同時に新緑もそろそろおしまいでこれから山全体が濃い緑に包まれます。


    シラカバ、ミズナラの新緑

残馬山、三境山の花(クリックで拡大)

  ハルトラノオ

  ミヤマキケマン 

  ムラサキケマン

  ネコノメソウ

  ヤマブキソウ 

  ヤマエンゴサク
【便利帳】 トイレ:草木ダム
【収穫】 11片 90g (^_^;
【寄り道】 草木ダム
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