【メモ】 |
2005-11-5
快晴の岳望につい寄り道:
カヤトの広がる草原東縁の道
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名古屋からの帰路、駒ヶ根あたりからは宝剣岳が左頭上にくっきり、右には南アルプスの北岳、仙丈岳、甲斐駒ヶ岳が遙かな高さで望めました。これはこのまま帰るわけにはいかんでしょう。
諏訪ICから渋滞の茅野を抜けて、白樺湖まであまりきれいとはいえない今年の紅葉を眺めながらの小一時間。
白樺湖周辺はやや遅めの紅葉でした。どうも今年の色つきが今ひとつなのは、たぶんこの秋の暑すぎた天候のせいでしょう。
霧ヶ峰のとっておきのコース:
車山のリフトは中腹までにして、早速草原の縁に向かう踏跡に入ります。マツムシソウとアザミの花柄がおびただしく立ち枯れていて、花時の光景が目に浮かびます。
一登りするとあたりの展望も開け、蓼科山、北八ヶ岳を間近に見上げることができます。少し離れて八ヶ岳全山も見通せ、さらにその右手には南アルプスがやや霞んで、なんとも贅沢な眺め。ここまではリフト周辺の喧噪も届かず、静かな霧ヶ峰を愉しむことができます。この先、ずっと草原の縁をたどって南の耳、北の耳を経て八島湿原まで続くこの道は、私たちにはとっておきのコースで、きっと、昔、ビーナスラインなどなかった頃の霧ヶ峰はこんなだったかと思わせる風光です。
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草原東縁から殿城山
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気になる高み:
この草原の縁から、相向かいに前々から気にかかっていた小さな高みが見えます。笹とカヤトの原にダケカンバの疎林を配してなかなか魅力的に見えます。はて、なんという山なのか。ひとすじ、カヤトの中に登山道も見えます。なにやら手招きされてる気が。(^^)
しばらくだらだらと登ると姫木平への分岐に出ます。その姫木平への切り開きの先に気になる高みはあります。
ひとまず、分岐で一休み。槍と穂高が白く輝いています。左には乗鞍岳、御岳山、右には妙高戸隠の山群、目をさらに右方向に向けると浅間山も意外な近さです。背後には蓼科山と北八ヶ岳がどでん。(^_^)
分岐から姫木平方向へはこれまでとはうって変わったダケカンバの林の中を一気に下り、その先の鞍部からまたカヤトの登り、さらに最後のわずかな急登りはダケカンバの疎林という具合に次々と植生が変わりとても楽しい道です。けっこう大下りと急な最後のツメに見えましたが、実際歩くとそれほど苦にはならず、なんなく頂上に登り着くことができます。
頂上には「殿城山」の大きな山頂標識。そういう山名だったんだ。
展望はさらに広く、眼下には八ヶ岳北部の裾の森林が色づいています。振り返るとたった今登ってきたカヤトが秋の日差しにきつね色に輝いて見えます。静かでとても好ましい頂上です。しばし一人の頂上を楽しみました。
簡単に登れて、単調な霧ヶ峰のルートに珠玉のアクセントをつけるこの小さなピーク、もっともっと登られていいと思います。 |
ダケカンバの中を歩く殿城山への道
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山名について:
個人サイトの中には「とのしろやま」としている例もありますが、どうもそれは間違いで、「でんじょうやま」あるいは「でんじょうさん」が正しいようです。殿上山とする場合もあるようですから、「とのしろやま」では辻褄が合いません。また、お隣上田にも同名の殿城山があり、こちらは「でんじょうやま」と呼んでいます。
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2013-5-25
霧ヶ峰からの展望:
鉢伏山の先に北アルプス
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スタートはコロボックルヒュッテ前の駐車場。車山の山裾を車山湿原に沿って車山乗越までほぼ一直線に付けられた登山道を進みます。
湿地にコバイケイソウやザゼンソウなどが見られますし、乾燥地にはレンゲツツジが群生していますが、花の時期は外れていて咲いているのはショウジョウバカマくらいです。
よく整備された道ですが大きな石が露出した場所では歩きにくく、またあまりにたくさんの人たちが歩くためか表面が堅くなっていてけっこう疲れます。
いくつかの高みでは折からの好天で中部山岳のほぼ全てを見ることができました。隣に大きな山体で持ち上がる蓼科山が印象的です。その先には八ヶ岳、さらにその奥に南アルプス、右に中央アルプス、御嶽山、乗鞍山と続きます。そしてやや遠くなるものの圧巻は穂高岳、槍ヶ岳です。白く輝く穂高と黒々と高く突き上げる槍、さすがその姿は北アルプスの盟主に相応しい凛々しさです。
展望はさらに常念岳、大天井岳、燕岳、立山と連なり、一旦美ヶ原に遮られてからまた火打山、妙高山まで続きます。そして四阿山、浅間山でほぼ中部山岳の大展望はぐるり一周します。
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姫木平分岐点付近から殿城山
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芽吹きが始まった殿城山:
車山乗越から姫木平を示す標識に従ってあまり歩かれていない歩道へと分岐します。すぐに姫木平分岐となり、ここから右に折れます。直進すると霧ヶ峰の東の縁を通って八島湿原へと通じています。
分岐からは霧ヶ峰の平らな台地から離れて派生尾根となります。霧ヶ峰とはやや植生も変わり、少しの距離ですがダケカンバ林を歩くようになります。芽吹いたばかりで新緑にはまだ幾日か要する様でした。
ダケカンバ林を抜けるとまた笹原になりますが、このあたりはレンゲツツジが多く、花期には朱の花に埋め尽くされるはずです。レンゲツツジの花期はまだ先ですが足下には何種類ものスミレの花が、周囲の低木にはオオカメノキの白い花が咲いていました。
最後に低木樹林帯の中を一登りで殿城山頂上です。静かで展望のよい頂上です。蓼科山の裾野の広大な樹林帯が印象的です。
眼下のカラマツ林は大規模な伐採の最中でした。どうやら伐採範囲を見るとスキー場の拡張でもしているようです。
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山彦谷南の耳まで:
南の耳から蓼科山を望む
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分岐まで戻り山彦谷南の耳まで足を延ばしました。
いかにも霧ヶ峰らしい笹原が続きますが、メインのコースがすっかり柵の中を歩くのに比べこちらはまだまだ昔の面影を残しています。おそらく防火帯の跡らしい一直線のルートです。なだらかな登降ですから距離からの印象とは違いあっという間に南の耳に達します。
南の耳は展望も良く八島湿原まで見通せますので休憩にはちょうどよいポイントです。ここからは北アルプスの展望が抜群です。
私たちもここで昼食にして、ゆっくり展望を楽しんでから往路を戻りました。
初め、このあたりからメインルートへ通じるショートカットの道でもあるかと考えていて、蝶々深山経由で戻るつもりでいましたが、古いガイド地図にあった道はすでになく周回しようとすると物見岩まで回らなければならないようです。 |
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【便利帳】 |
トイレ:リフト駅 コロボックルヒュッテ前駐車場の上 |
【収穫】(^_^; |
2013-5-22
11片 20g |
【寄り道】 |
バラクライングリッシュガーデン:
蓼科のバラクライングリッシュガーデンに寄り道してきました。
春の花は一段落してバラの開花にはまだ早い端境期でちょっと残念でしたが、バラの時期にはツアーがどっと押し寄せてとんでもないことになるという話ですのでかえって静かに鑑賞できてよかったかも知れません。黒チューリップや遅めのクリスマスローズ、ちょうど満開のアリュームなどがきれいでした。
テラスで英国古楽器のミニコンサートが開催されていました。涼しい風に吹かれてコーヒーを味わいながら古風な音色を楽しみました。
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