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  兜岩山 1368.4m

西上州と佐久の境に特異な山容を連ねる兜岩山の山群を巡る
西上州の岩峰群が佐久側にちょっぴりはみ出しているかのように岩塔を連ねている兜岩山。佐久の優しい感じの山々とはちょっと異質の西上州の雰囲気そのままに藪をまとった断崖を連ねて険しい山容をみせています。
信州側からの登路となりますので、かつては遠い山でしたが、上信越道と内山トンネルのおかげでアクセスはずいぶん楽になりました。
雲一つない秋晴れのもと、大展望を期待して星尾峠から兜岩山まで歩きました。しかし、あまりの好天で季節はずれの暖かさとなり、期待の北アルプス大展望は靄に阻まれてしまいました。
でも、晩秋の落葉樹の道は落ち葉をかさこそ、というより落ち葉のラッセルで、暖かい日差しを浴びながらの楽しい一日となりました。
【日程】 2005年11月13日
【山域】 信州
【天候】 快晴
【地図】 荒船山、信濃田口
【アクセス】 下仁田ICからR254を佐久方面へ。内山トンネルの先、内山大橋を渡ってすぐ(橋のたもと)、狭い林道に左折。この分かれ道はちょっと見過ごしてしまいそうな道です。
すぐに旧道からの道に合流して、そのまま2,3kmで荒船不動。車は手前駐車場まで。
【駐車地】 荒船不動手前に駐車場。約20台。








(木立越しに兜岩山を望む)
【コース】 駐車場 − 荒船不動 − 星尾峠 − 近道分岐 − 石仏・御岳往復 − 孫ローソク − ローソク岩巻き道
− 兜岩山分岐 − 展望岩 − 近道分岐 − 駐車場
実行程約4.5時間
          山名板もないひっそりとした山頂

孫ローソクより立岩方面

 ローソク岩

【メモ】 駐車場から今日のルートを見上げる:
星尾峠

国道から荒船不動への林道の分岐は内山大橋のすぐ脇なのでうっかり見過ごしてしまいました。林道は狭く、団体のマイクロバスなどは迷惑になりそうです。
駐車場は20台くらいは停められそうです。
駐車場からローソク岩、御岳、兜岩山を見上げることができます。一見してなかなか手強そう。

しっとり落ち着いた登路から星峠:
駐車場からすぐに荒船不動。ささやかなお賽銭をチャリンとやって今日の安全を祈願しました。本堂の賽銭箱の前に「荒船山に伝わる神話」というパンフレットがあります。1枚いただいてきました。荒船山の由来にまつわる物語は貫前神社、諏訪神社、二荒神社、さらには遠く南天竺まで舞台を広げてユーラシア規模です。
荒船不動からの登路はよく踏まれていて歩きやすく、落ち着いた雰囲気のカラマツ林と落葉樹林を交互に通ります。
急登もないまま、稜線に飛び出すとそこが星尾峠。前方に上州側の立岩方面が見渡せます。静かな好ましい峠です。
左は荒船山へ、そのまま峠を越えれば線ヶ滝を経て星尾へ、そして私たちは右の稜線をローソク岩、兜岩山方向へ。


小刻みなアップダウンの稜線の先に怪峰ローソク岩:

子ローソク(孫ローソクより)
この先は小刻みに登ったり下ったりの連続となります。
右に荒船不動への近道を分けて大登りをすれば、右に石像2体を見てその先で御岳分岐となります。御岳へはちょっとした岩場の登りがあるものの簡単に往復できます。ここの銅像は木曽御嶽を向いているそうです。私たちも銅像と同じ方向を向いて木曽御嶽山に拍手を打ちました。
しかし、木曽御嶽山まで届く展望かと思うとやや期待はずれで、周囲は樹木にちょっと邪魔されています。
また稜線まで戻り、一旦大きく下って登り返すと孫ローソク。右を小さく巻いてから戻るようによじ登るとてっぺんに立つことができます。孫ローソクの名前が示すとおりの岩塔で、そのとんがりのてっぺんからはぐるり爽快な眺めですが、足下が危なくて落ち着けません。
谷を隔てて立岩が負けじと岩峰を突き上げています。立岩と荒船山とこの兜岩山に囲まれた広大な谷は紅葉に染まっていました。今年はあまりきれいとはいえない紅葉でしたが、それでもこれほど広大な樹林が色付けば圧巻です。
隣に突き上げる子ローソクと親ローソクにあたるローソク岩は右側に巻き道があります。稜線伝いと巻き道途中から子ローソクに向かう登路がありますが、私たちは孫ローソクでもう充分。危うい道は敬遠して兜岩山に向かいました。

大展望のはずが:
頂上展望岩より佐久方面

巻き道から稜線に戻ると、わずかで田口峠方向と兜岩山方向に道は2分します。田口峠方向にはきれいな落葉樹の尾根が続いていてちょっと峠まで通して歩きたい気持ちになりますが、車のデポなどを考えると現実的ではないコース取りになってしまいそうです。
右の兜岩山方向にはちょっと笹が深くなりますが、道はよく踏まれています。兜岩山は稜線から信州側に派生しているため尾根は右に回り込むようになりますので、ローソク岩や御岳、荒船山などが右手に眺められます。ただし、木々に遮られ木の間越の眺めとなってしまうのがいささか残念です。稜線から兜岩山頂上までは難所もなくあっという間です。落葉樹に囲まれた山名板もない静かな頂上です。小広い頂上は大人数でも休めるくらいの平坦地となっています。
頂上は展望に恵まれませんが、そのまま踏み跡に従ってわずかに進むと断崖上に飛び出し、信州方面の大きな展望が広がっています。
茂来山、御座山、八ヶ岳、蓼科山、浅間山など佐久をとりまく山々が一望です。しかしあまりの好天に却って靄がかかって期待の北アルプスまではまったく展望が届きません。眼の下は紅葉も終盤に近くやや褐色気味の広大な山並みが続いています。その山並みの先には霞んだ佐久平が広がっています。風もない小春日和で、しばし
落ち葉を踏んでローソク岩巻き道を戻る
山岳同定を楽しみました。
帰路は途中から荒船不動への近道がありますので、これをとりました。カラマツの落ち葉が積もったふかふかな道でした。
駐車場に戻ると車が林道にまであふれていました。あまりハイカーに会わなかったので、みなさんたぶん荒船山に登ったのでしょう。
【便利帳】 トイレ:荒船不動
【収穫】(^_^; 15片 120g 少ないのはきっと落ち葉に埋もれてしまったためです。
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