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唐松岳・五竜岳(2696m/2814m)
台風一過の澄んだ空、遠く南アルプスや上越まで見通せる大展望
 
ちょっとありきたりのお手軽コースでこのHPの趣旨にそぐわないのですが、台風一過の大々展望に恵まれてこれほどの山行にはなかなか巡り会えないということで押し込んでしまいました。
ちょっとナメていた遠見尾根の下りは、秋とは思えぬ暑さと延々と続く単調さにいささかうんざり。

関連ページ 唐松岳

  八方池・不帰キレット(拡大)

 五竜岳(拡大)

  唐松岳夕景(拡大)

 鹿島槍ヶ岳(拡大)
剱岳夕景(拡大) 雷鳥(拡大)
【日程】 1999年9月26,27日
【山域】 北アルプス
【天候】 快晴

【アクセス】 長野道長野ICから白馬長野道経由白馬村八方
【駐車地】 ゴンドラリフト下に無料駐車場(リフト駅前の日帰り用駐車場ではなく、その先の右側)
【コース】 ゴンドラリフト八方尾根 - 八方池− 唐松岳頂上山荘 - 唐松岳往復
唐松岳頂上山荘 - 五竜岳山荘 - 五竜岳 - 五竜岳山荘 - 大遠見山 - テレキャビン
1日目約5時間 2日目約9時間 一般向き
【メモ】 ラクチン八方尾根:
八方尾根はゴンドラとペアリフトであっという間に森林限界を超えていきなり快適な展望尾根の楽しいスタートです。これ以上はないという青空、右に白馬三山から不帰キレット、左に八ヶ岳、富士山、南ア、さらに浅間、上越の広大な眺め、背には妙高戸隠の山々、なんという贅沢な展望でしょう。

は?これが八方池:
ただの水たまりじゃないか。いつも写真で見る景観とのあまりの違いに、カメラマンという職業の凄さ?を認識。それでも一応これもお作法と思って写真を撮りながら池を半周しましたが、池畔に降りると濁りも気にならずこれがけっこう素敵な池で、やっぱりダテに撮影ポイントになってるわけじゃないとすっかり気に入ってしまいました。お腹もすいたし、はやくもここで大休止。どうも観光客ペースになってしまいます。

唐松岳はラクチン峰ベスト3の一角:
乗鞍は別格としてはずすとして、仲間でラクチン峰ビッグ3として木曽駒、立山、唐松を選定しました。どれもなかなかいい山じゃないかという一致した意見。山はラクチンこそ最大の魅力という強固な価値観のコマッタ仲間たちです。(^^;
でもラクチンの魅力と山の魅力の相関は全くなくて、唐松岳は本当にいい山でした。
小屋に荷物を置いて散歩気分で登った頂上からは不帰キレットを隔てて白馬三山が間近に聳え、その左に日本海をバックに毛勝三山が立派です。剱の格好良さは貴公子然として立山と並んでいます。遠く薬師や水晶に続く峰々は、これが北アルプスなのだっ!と言っているよう。そしてなんといっても五竜岳の圧倒的な姿が印象的です。
風の寒さも忘れしばし頂上で至福のひととき。

唐松岳頂上山荘のキンキンに冷えた生ビールは最高です:
唐松岳頂上山荘は評判通りの好ましい山小屋です。
八方尾根を登るのになんと5時間ちかく費やすという快挙!を果たした我々は剱を望む喫茶室に陣取りキンキンに冷えた生ビールで乾杯。
あたりはすでに夕景、朱に染まった空に黒く尖塔をもたげる剱や五竜を眺めて、稜線の小屋の静かなひとときです。夏山の混雑するシーズンではこのよさは味わえません。
ついでに言えば、噂に違わずおいしい食事でした。

思いのほか豪快な五竜への道:
翌朝はそのまままた八方尾根を下山するのんきな仲間3人を後に、薄明かりの中、2人で五竜を目指して勇躍出発。
唐松からはなだらかに見えて楽勝楽勝と思っていた稜線は下る下る、見えなかったところでの大下りの連続、ついには森林限界を逆に超えて樹林帯になってしまいました。最低鞍部を越えるとさらにいままでの大下りにおつりをつけたような五竜頂上までの岩の登り返しが待っていました。とりわけ五竜岳山荘からの登りはなかなか危うい場所もあって平衡感覚の衰えた身には楽しい道とはいえません。

去りがたい五竜岳頂上:
やっとたどり着いた五竜岳は先客たった1人のみ、まことに静かな頂きでした。
眼の前に八峰キレットを従えた鹿島槍がドデンと構えていました。その先に遠く槍、穂高まで続く北アルプス全山がうねっています。さらに360度見える限りの山々、とりわけ南アルプス深南部が印象的でした。
このまま静かに何時間でも眺めていたい気持ちですが、見下ろす遠見尾根の長大さがそうもさせてくれません。去りがたい気持ちを振り払って頂上を後にしました。

いつもそうなのだ、下山は地獄:
遠見尾根はとんでもない長尾根です。長い。とにかく長い。
途中、2,3カ所展望地はあるもののおおむね樹林の中の単調な登り下りが続いて行けども行けどもなかなか自分が低くなりません。
そんな単調な中に、西遠見下の池は特筆すべき景観です。五竜岳、鹿島槍を見上げ紅葉の時はさぞかしと思わせます。ただし今年はなんという季節の移ろいの異常さ、ただの1枚の葉も色づいていません。
山荘から下ること4時間、最後はうんざりした気分でやっとテレキャビンにたどり着きました。