【メモ】 |
出張峠から下る、下る:
出張峠まで緩やかな道が続きますが、出張峠で五輪尾根への道を右に分けるといきなり急下降となります。左手遙か下方にに沼尾川が流れていますが、これを越えるにはあそこまで下降しなければならないのかと大損した気分です。
下りきると沼尾川を立派な橋で越えます。前日の台風の雨を集めて沼尾川は豪快にしぶきを上げていました。
橋を渡ってしばらく道なりに進みやがて右下方に林道が見えてくると鈴ヶ岳への入山点も間近です。林道終点が登山口となっています。
ここから本格的な登りとなります。
あまり登山者が多くはなさそうですが大岩が点在し周囲はミズナラなどの大木が鮮やかに色づいてなかなか気分のいい道です。
また振り返れば沼尾川の対岸には五輪尾根から派生する尾根の岩壁が紅葉に包まれていました。
魅力のある尾根ですが、確か五輪尾根途中から下降路が分岐していますので、その道はこの尾根に当たるのかもしれません。一度確認しておきたいものです。
大タワから急登:
大タワ(あまな氏撮影)
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徐々に急登となり林床がシダからミヤコザサに変わるとひょっこり大タワに飛び出します。鍬柄山と鈴ヶ岳の鞍部です。ミズナラが鮮やかに色づいていました。
新坂平から尾根通しの登山道でやってきたハイカーが次々に通り過ぎて行きます。
大タワからはさらに急登になりますが、何カ所かある展望地から色づいた眼下の林や赤城の山々や日光・足尾、榛名や上信の山々を眺めながらの登りですから苦しい登りではありません。
途中大岩を登るところがありますが、固定ロープなどもありさほど危険はありません。
頂上は展望台:
頂上はやや東西に長い尾根状の小平地です。多くの石碑が林立しています。
頂上からは遠望を楽しむことができますが、木々に邪魔をされていますのでぐるり大展望ではなく自分があちこち大岩の上に立ってそれぞれの方角の展望を得ることになります。かつてこの頂上は岩に腰掛けて360°の展望を楽しむことができましたが、すっかり樹木に被われてしまったのはちょっと残念です。
しかし前日の台風が去ってまさに台風一過の大展望でした。のしかかるような赤城の主峰黒檜山から左方向へ足尾の袈裟丸山群、皇海山、日光の錫ヶ岳、日光白根山、燕巣山、四郎山、尾瀬の燧ヶ岳、景鶴山、至仏山、谷川方面にジャンクションピーク、谷川岳、仙ノ倉山、平標山、その先に特徴ある苗場山、群馬の北辺に連なる稲包山、白砂山などの山群、草津の山々、浅間山周辺、その先になんと鷲羽岳、水晶岳、槍ヶ岳、穂高岳までの遠望、さらに北・南八ヶ岳のさらに左奥には甲斐駒ヶ岳と北岳までとどく大展望でした。そしてもちろん富士山。近景には上州武尊山、子持山、榛名山などが取り巻いています。
鍬柄山から新坂平へ:
下山は一旦大タワまで戻り、大タワから往路に分かれて尾根通しに新坂平(しんざかだいら)を目指します。
峠からはまた急登でちょうど鈴ヶ岳から下った分を取り返さなくてはなりません。
鍬柄山頂上には素晴らしい展望が待っていました。日光、尾瀬の山々が一望です。とりわけ日光白根山は早くも真っ白に輝いていました。また合い向かいの五輪尾根、赤城主峰黒檜山、地蔵岳、荒山なども眼前に横たわりなかなかの迫力です。
鍬柄山からの展望(あまな氏撮影)
左から燧ヶ岳、四郎岳、燕巣山、三ヶ峰、笠ヶ岳、錫ヶ岳、白根山 手前は五輪尾根と派生尾根
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鍬柄岳からは展望ピーク有り、紅葉の雑木林有り、カヤトの鞍部有りの文字通りの稜線漫歩です。ところどころ笹でコースが乱れますが尾根通しに行けば迷うこともあません。
やがて白樺牧場の柵が左に現れるとほどなく左に下降道があり急坂を一気に下ると新坂平登山口です。 |