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  天狗山258.6m  ゴミのない山、それだけでも充分に歩く価値あり  

2003-6-29
市街地にからいきなりハイキングコース。もうそれだけでゴミの山を連想してしまいそうですが、天狗山にはほとんどゴミがありません。地元の皆さんがかなり頻繁にコース整備とゴミ拾いをなさっているようです。ゴミ拾いが山歩きの楽しみの一つになっている山とんぼにはなんとも拍子抜けするコースでした。(^^;
とはいえ、このコースは、ゴミがないだけが魅力というわけじゃあリません。濃い緑の中、リョウブが花盛りでした。道脇に目をやればギボウシ、オカトラノオなどの花も楽しめました。ミツバツツジ、ヤマツツジ、アオダモなどの灌木が目につきますのでもう少し季節が早ければ花の中を歩く感じではないでしょうか。
また、足利の多くの展望ピークは、これは単なる偶然ですが、北東側が樹林や隣の山などが目隠しとなって安蘇山塊の東半分が見通せない状態となっています。ですが、この天狗山は木の間越しとはいえ、尾出山、大鳥屋山方面の展望が拡がっています。とりわけ尾出山の鋭鋒が印象的です。もちろん安蘇前衛の山がどこもそうであるように日光連山、前日光、赤城山、西上州、浅間山、秩父連山そして広大な関東の大展望を我がものにできます。

2018-1-6(こちら)
冬晴れの日、展望を期待して再訪しました。

2020-11-22(こちら)
織姫公園もみじ谷がちょうど紅葉の時期で賑わっているというので紅葉見物の皆さんを見物に。(^_^;
ついでに両崖山、天狗山を一巡りしてきました。

関連ページ
行道山

【日程】 2003年6月29日
2018年1月6日(こちら)
2020年11月22日(こちら)
【山域】 安蘇
【地図】 1/25000足利北部
【アクセス】 国道50号から足利市内に突っ込んで行き、街中どこからでも見える織姫神社を目指します。下記概念図参照。
【駐車地】 織姫神社石段下に20台。
山裾をぐるっと右(左巻き方向)に回り込んで法楽寺から車道を上がれば織姫山中腹に3カ所駐車場があります。全部で100台は大丈夫。(今回は中腹に駐車しましたが、周回コースはすべての駐車場を経由しますので何処でも同じことです。)
【コース】 2003-6-29
織姫公園 - 登山口−鏡岩 −展望テラス−両崖山−天狗山−かわら山−7丁目切通し - 織姫公園
実行程約3時間 初心者向き
2018-1-6
織姫公園 - 登山口−鏡岩 −展望テラス−両崖山−天狗山−西宮町本経寺−西宮神社 - 織姫公園
実行程約2時間 初心者向き

  両崖山手前の岩尾根

   稜線より足利市街

         天狗山頂上
・山神様

【メモ】 2003-6-29
6月も末となればさすがに緑もうっとうしい:

5月に登れば花の回廊を歩くことになりますが、6月末のこの季節ともなれば木々の緑も爽やかを通り越してうっとうしいと感じるのはこちらのわがまま、ですね。この季節、低山歩きは体に良くない、暑いのなんの。
公園となっている織姫山から両崖山までは堅いチャートの岩質とアカマツの取り合わせが美しい尾根です。のんびり歩いても30〜40分というところ。このあたりは市民の散歩コースとなっています。途中の鏡岩、山火事跡の展望岩、両崖山手前展望テラスなど尾根筋のいくつかのポイントからは関東平野の大展望が楽しめます。冬ならば東京のビル群や遠く富士山まで一望です。

なるほど両崖山は山城の跡を残しています:
空堀跡を越えると山城跡の両崖山。(標識に「本城2丁目」などと町内の行き先が記されていて、いかにも市街地の中のハイキングコースらしくご愛敬です。)
内陸自生地としては北限に近いタブノキが生い茂っています。周囲はシャガの群生地で、花時季にはにぎやかになります。両崖山にはいくつかの神社がひしめいていますが、ここから先にも大岩毘沙門天、行道山浄因寺、名草弁天と神域や境内がいくつか続いて、これらはどれもシャガの群生地となっています。
このまま両崖山を越えると大岩山、行道山、名草巨石群へと続く長いハイキングコースとなりますが、天狗山へは山頂手前の東屋から左(西)へルートを曲げ分かれます。
メインのハイキングコースを歩いていてはちょっと見過ごしてしまいますが、このコースに入ると城跡の面影が色濃く残っていて空堀や土塁をはっきり見ることができます。城域は隣の紫山分岐を越え天狗山鞍部にまで空堀跡があります。

天狗岩を登れば天狗山:
オカトラノオ(拡大)

地元の皆さんが整備しているためコースは歩きやすく、何よりゴミがないのが嬉しいです。かといって、階段を作ったりすることもなく、ほどよい整備にとどめているようです。
両崖山から紫山分岐を越えて下りにかかるとコース脇はミツバツツジがびっしり繁っています。花の時季の美しさはどんなでしょうか。
鞍部を通過して登りになると岩場になりますがこれを天狗岩と呼ぶようです。コース中でただ1カ所、大きなお世話のロープが張ってあってせっかくの岩稜歩きが台無し。でもファミリーコースを念頭に置いているようですから致し方ありません。かえって子供たちには難所らしく感じて楽しいかもしれません。
岩場を登ると天狗山頂上。山頂標識と山神様がぽつねんと建っています。樹林に囲まれているものの、ほぼぐるり日光、赤城、浅間、秩父などの展望が楽しめます。印象的なのは北東に見通せる尾出山の鋭鋒です。

下山地はまるきり街の中:
織姫神社
途中いくつか下山路が別れていますが、ショートカットせず最長コースを歩いたところでたいしたことはありません。(見所もあまりないですが。) かわら山、ちょっと盲腸コースで展望岩、さらに須永山、観音山とたどって行きます。展望岩までは心地よい雑木やアカマツが続きます。展望岩の手前から左に高度を下げるとあとは平凡な里山です。途中に「天狗の牙」「石舞台」「天狗大展望」という、あれれ、自分でつけちゃったんじゃないの、と思ってしまうような天狗系の名前の掲げられた大岩がありますが、ただの通過点といったところ。
だんだん山が荒れてきたなぁと思うころいきなり行く手にフェンスが現れます。真下は旧国道が走っています。「7丁目の切り通し」と呼ばれています。まるっきり街の真ん中。
ちょっとじめじめした観音堂を通り抜けて階段を下りると旧国道に出ます。
汗ぐっしょりの姿で街中をあるくのも見苦しいので身支度を整えて、あとは出発点までぐるり山裾を戻るだけ。
石の鳥居と階段がありますから織姫神社への登り口はすぐにそれと判るはずです。

2018-1-6
展望を期待して:
紫山から天狗山を望む
 

冬晴れの日、展望を期待して再訪しました。
両崖山まではランナー、ハイカー、散歩の延長、犬の散歩、それぞれの目的で登って来た人たちでにぎやかです。
両崖山の石段中程から左に折れて天狗山を目指します。山城の雰囲気が濃く郭や空堀の跡を見ながら平坦な山道をたどるとすぐに左方向に紫山への道を分けます。紫山は両崖山から天狗山へ続く尾根から派生した小尾根で道は紫山で行き止まりとなります。ベンチがあり北に大きく展望が開けています。紫山の山名はたぶんトウゴクミツバツツジにちなんでそう呼ばれるようになったかと思われます。この一帯は春には紫のツツジで艶やかです。(地元ではミツバツツジを紫ツツジと呼んでいるようです。)
稜線に戻り落葉樹の尾根をたどると天狗岩が立ちはだかりこれを登りきるとほどなく天狗山です。抜群の展望を楽しめます。なお、天狗岩は右手に巻き道があってそちらから天狗山に登り着くこともできますが天狗山に来たのに天狗岩を避けてどうすんだという気もします。天狗岩はロープが固定されていますが特に危険というほどでもありません。(天狗岩を回避する巻き道はしっかり整備されていますのでお子様連れや岩場に不安を感じる方にはおすすめです。)
下山は直接西宮町へ下るコースをとってみました。最短時間で下山できます。途中住宅地のすぐ近くまで下ってきたところでイノシシの親子の群に遭遇してちょっとびっくり。親イノシシのあとから数頭のかわいい子イノシシが一列に整列してついて足早に登って行きました。とは言え、かわいいなどと言ってられない状況で、来年にはもう一丁前のイノシシになってしまうわけでこんな住宅地至近に出没しているからには被害も並大抵ではないはずです。
西宮町の西宮神社の脇から直接織姫公園に登れますので駐車地まではほどなく戻れます。(石段の最上段脇から登ります。ちゃんとした道があるわけではありません。)

    天狗山頂上
 
     天狗岩

2020-11-22
賑わう織姫公園から両崖山へ:
タブノキ

織姫公園はもみじ谷の紅葉見物の人たちで大賑わいです。それというのも織姫神社がいつの間にか縁結びの神様に変身してしまい、最近恋人たちの聖地とかなんとか言って休日ともなると若い人たちが行列してるありさまです。その流れが公園全体の混雑に影響して駐車もままならない状態です。
しかしそれも公園内だけ、公園から続くハイキングコースへ足を踏み入れればちょうどよいくらいの混み具合です。低山の季節到来と言うところで山道にしては行き交う人も多めです。
いつもの道で両崖山へ。いつものように関東平野の大展望。いつものようにのんびり気分。
両崖山はタブノキの北限自生地だそうで数本のタブノキの大木が頂上のみに生育しています。

天狗岩を越えて天狗山へ:
紫山から天狗山 頂上部の疎林がご愛敬です

両崖山から天狗山方面への縦走路に方向を変えて大下りします。両崖山は足利城跡でかなり尾根の先まで城跡の痕跡をとどめていて切り岸や空堀が今も残存しています。
紫山からさらに大下りして最低鞍部に達してからいよいよ天狗岩の登りです。固定ロープがあって危険なことはありませんが、岩を嫌うなら右に巻き道もあります。巻き道は天狗山頂上手前で合流します。
天狗山は関東平野、日光方面、秩父方面、上信方面などぐるり大展望です。空の澄んだ日には遠く北アルプスの槍ヶ岳まで届く遠望も楽しめます。
下山はそのまま尾根通しに下って途中の本経寺を示す案内に従って尾根を外れ下り着いたところが本経寺脇です。あとは住宅地の中を駐車地まで戻るのみです。
【便利帳】  トイレ:織姫神社 
【収穫】(^^; 2003-6-29 40g 56片 
2018-1-6  40g 13片
2020-11-22 10g 5片
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