【メモ】 |
(2005-1-22)
立派な大山祇神社:
大山祇神社
|
大坊山の中腹に鎮座する大山祇神社は御神楽で知られ、なかなか立派です。かつては大坊山頂上にあったそうですが落雷のため焼失して現在の場所になったということです。
神社の前にはあれまあとびっくりするほど立派な駐車場ができ、その南端は展望台となっています。
ここからの展望は見事の一語に尽きます。富士山を真正面に、丹沢、秩父の山々が見渡せます。
神社の右手から登山道は始まります。はじめはジグザグを切っていますが小尾根に出る直線登りとなります。左手は数年前の山火事で丸坊主となっているため一気に上信方面の展望が広がり、そのまま頂上まで大展望を背負っての登りとなります。急登もわずかで大坊山頂上となります。
頂上は小広い平坦地となっていて石祠を中心に石碑やら山名標やらにぎやかです。いままでの岳望に加え、安蘇の西半の山々も視界に入り、山名を探りながら休憩するには格好のポイントです。
露岩の縦走路:
楽しい岩の縦走路
|
左手に下ると赤松と露岩の楽しい縦走路が始まります。しかし、なぜかこんな岩場のあちこちに水仙が植えてあり寒さの中でつぼみを膨らませていました。好意の植裁でしょうが自然大好きなハイカーにとっては不愉快以外になく、当の水仙にとってはさらに迷惑なことでしょう。
左に長林寺への道を分けて、すぐ隣のピークがつつじ山。ここからはさらに北の展望が広がり空中に飛び出したような感覚を覚えますが、残念なことに足下一帯をゴルフ場が占めています。さらにその先は土砂採取場が眼の下に広がり、尾根通しには歩けない状況になっています。かつての展望峰は巻き道で通過せざるを得ません。つつじ山から越床峠までは左側足下を見ないことにして通過するしかありません。しかし、早春ならシュンランの花がたくさん見られ楽しい道になるはずです。この大坊山を中心とした足利東部の山塊はシュンランが多く、愛好家にとって垂涎の的の銘品が採取されたりしているそうです。私たちにはありきたりの淡緑の花を見るだけで楽しいですが、花の時期にはまだ少し早すぎます。
いったん高度を落として越床峠、ここは右に大沼田へ、左に旧北郷村樺崎、赤見村駒場へと分岐する古い峠道の名残です。つつじ山からここまでの景観はあまり心地よいものではありませんでしたが、ここからは今日の縦走の核心部、愉快な露岩のやせ尾根や急登の連続です。とりたてて危険な場所はありませんがバランスを要求されるような痩せた大岩もありますので注意したいところです。いくつか優れた展望の急峻なピークを越えますが、それぞれ休憩しながらゆっくり展望を楽しみたいものです。
大展望の大小山(妙義山):
妙義山頂上 安蘇、足尾、日光 一望
|
露岩の多い急登(と言ってもわずかな距離です。)を一気に登り切ると待望の大小山頂上。思わずワオッと口に出てしまう大展望です。とにかく広い。まずは日光連山とりわけ男体山の勇姿、振り返ると真っ白な富士山、浅間山も負けず真っ白な姿、そして何より圧巻は関東平野の広大さです。また多少とも山に詳しければ安蘇足尾山塊のうねりには感動さえ覚えるはずです。ほぼ安蘇と足尾の全山が見通せるのはこの大小山のほかにはありません。大小山が安蘇山塊からやや離れた位置にあるためです。
あいにく強すぎる季節風のため北アルプス方面は雪雲の中でしたが、遠く槍ヶ岳や穂高岳さえ見える日もあると言うことです。(実はそれを狙って来たのですが、ちょっと季節風が強すぎました。) 他にも八ヶ岳、奥秩父、丹沢、筑波、上信の山々、上州の山々、数え上げたらキリがありません。
入れ替わり立ち替わりハイカーが登ってきます。ここは地元の皆さんにこよなく愛されている山で、今年7回目というご婦人、10回目だというおっさん、おいおい、まだ1月も20日しか経ってないんですよ。
元旦にはご来光を迎えに山頂は地元の皆さんでひしめくと言うことです。またゴミ拾いに通う皆さんも多く、いつもきれいで、山のゴミ拾いが楽しみな山とんぼとしてはちょっと収穫が少なく拍子抜けするとっても残念な山でもあります。(^_^;
頂上より日光、安蘇山塊
|
南尾根も露岩の楽しい道:
頂上からは今しがた登ってきた西からの尾根のほか、東と南にせり出す尾根があり、どちらも岩稜の楽しいコースになっています。車の駐車地に戻るには周回コースにしなければなりませんのでここからは南尾根となります。いったん急下降して登り返すと鷹巣山。この登り返しは雪のあとはちょっと難儀する所です。この鷹巣山の東側直下の断崖(天狗岩)には大天狗、小天狗を表す「大小」の文字が架けられていて、佐野方面からひと目でそれとわかる
関東平野の先に大山 2010-1-1
|
シンボルとなっています。鷹巣山の先に左に分岐する道があり(阿夫利神社への下山路)わずか下れば大小の字を真下から見上げることができます。わっ、でかい!
鷹巣山の次のピークも展望峰です。風を避けて展望を楽しむには絶好のピークです。ここが最後の休憩点でしょうか。
標識に従ってやまゆり学園を目指し下山にかかりますが、この下山の尾根は終盤になおもこの山の良さを味わうことのできる道で、赤松と雑木の取り合わせが好ましく、よく踏まれていて快適に歩くことができます。この尾根からはずっと歩いてきた縦走尾根が一望で、締めくくりを歩くには格好です。
やがてひょっこりやまゆり学園の敷地に飛び出します。ここからは住宅地の中を大坊山駐車場を目指して2,30分の我慢です。山麓の民家には気の早い白梅が六分咲ほどで匂っていました。
(2010-1-1)
逆回り縦走:
逆回りです。駐車は大山祇神社前でも良いのですが最後の登り返しがつらいのでやまゆり学園手前に停めました。2,3台分の駐車場があります。立木に貯金箱がくくりつけられていて100円入れることになっています。
強い季節風のため北と西の山々は雪雲の中でしたが関東平野と筑波山方面は素晴らしい展望でした。
南には秩父の山々(特徴ある城峰山以外は何が何だか。(^_^; )、富士山、丹沢の山々、東には筑波山、加波山などがくっきり。
露岩の尾根 |
線彫りの道案内 |
途中、越床峠から登り返すと土砂採取場の最上部に出ますが、ここにお休み所ができていました。たぶん採取場がハイカーの利便を考えてで建ててくれたものと思われますが、突然現れる建物は少し奇異に感じられました。
越床峠からつつじ山にかけては土砂採取場とゴルフ場が足下に広がっています。昔、この一帯は平地林が広がっていていくつか溜め池がありバカ貝捕りや沢蟹捕りなどで遊んだもので、私企業が私有地をどう掻き回そうとどうこう言われる筋合いじゃないのですが、かつての景観を知る者にはちょっと悲しい景観です。
つつじ山で展望は一気に広がります。歩いてきた縦走路が一望で、里山にしてはけっこうきつい登降を繰り返しているのがわかります。
つつじ山から縦走尾根を振り返る(右端に鷹巣山と妙義山)
中景・岩舟山、晃石山 遠景・加波山
|
(2011-1-3)
北アルプスまで届く遠望:
好天で汗ばむほどでした。
八ヶ岳、北アルプス(穂高、槍)までとどく遠望を楽しみました。
赤岳、横岳 |
(2018-1-8)
大坊山北尾根露岩帯
|
はじめは曇り空でときたま薄日さえ差していたというのに下山にかかる頃にとうとう雨となってしまいました。この時期の雨は身体が冷えて厄介です。むしろ雪の方がまだましというものです。
山百合学園コースを下山していたとき南側の谷の至近でパンパンと2発銃声がしたかと思うと猟犬の吠える声とブヒブヒと鳴く複数のイノシシらしい鳴き声が聞こえてきました。(親イノシシが撃たれてどうしてよいわからず我を失った子イノシシが騒いでいるのかと想像しました。)
手負いのイノシシに襲われたり興奮した猟犬に吠えられたりしたら冗談では済まないので大急ぎでその場を離れました。
以前この近くで狩猟中の方と話したことがありましたが、この谷の南の尾根で熊を撃ち取ったことがあったそうです。写真を見せていただきましたが人の背丈を超す大物でした。こんな里山に熊が棲んでいるかとびっくりしたものです。
がま岩の岩場 |
|
|
【便利帳】 |
トイレ:大山祇神社
コンビニ:山川町に |
【寄り道】 |
大坊山南西の山裾に鹿島園温泉。かけ流しの天然温泉です。帰りに一浴を。
大小山東麓になりますが栗田美術館。古伊万里は圧巻です。
その南、JRの線路を挟んで足利フラワーパーク。藤の巨大な棚はびっくりモンです。ぜひ花の季節に。 |
【収穫】(^_^; |
(2005-1-22) 43片 110g 8割方は大坊山での収穫です。
(2010-1-1) 24片 40g
(2011-1-3) 24片 60g
(2018-1-8) 16片 30g |