【メモ】 |
2005-5-22
バラ沢峠の入山点:
バラ沢沿いの車道を上ってきて送電鉄塔のある峠がバラ沢峠です。峠の先で林道から尾根に向かって鹿の通り道が登っていますのでここを入山点としました。
尾根通しにかすかな踏み跡もありますが、左にしっかりした山腹道の跡があったのでこれに従いました。やがてその道形も消え、結局尾根に戻り、そこからは消えがちな道形と鹿道をつないで登ることになります。下草はほとんど気にならず、時折現れる露岩を越えたりつつじの写真を撮ったりとけっこう楽しい道で、かつてはかなりしっかりした尾根道があったらしいので未知のコースを歩く緊張感はあまりありません。シロヤシオとトウゴクミツバツツジが満開で尾根全体が明るい雰囲気です。それにしても今年の花つきのすごさ。例年シロヤシオは若葉に負けてあまりぱっとしませんが、今年は全体が真っ白に見えます。ましてや派手な花色のミツバツツジは山全体が紫になったかの印象さえします。そのくらいこの尾根のミツバツツジの数は多いのです。
やがて右隣の1252m点峰を後方下に見るようになると徐々にコメツガも目立つようになり山深い雰囲気も出てきます。林床は芝草が覆いとても幻想的で、周囲は6,7分咲きのミツバツツジの群落、コースの中でももっとも好ましい雰囲気となっています。
呆然、丸裸の斜面:
すっかり丸裸
|
1252m点峰からの尾根を併せるとすぐに右からもう一つの尾根が上がってきます。どちらかというとそっちが主尾根で尾根にひょっこり顔を出すという感じになります。
ここで呆然。バラ沢峠からずっと手つかずの自然の中を歩いてきたのですが、尾根の反対側はすっかり丸坊主となっていました。アカヤシオの残骸が累々と折り重なっています。林業や治山のことは素人でよくはわかりませんが、一帯は急峻な疎林ですから用材を切り出したとも思えず、たぶん百年の計として植林をするのかもしれません。しかし、ここまですっかり丸坊主ではすでにさらさらと小さな崩壊が始まっています。もし、袈裟丸南面一帯の笹の大斜面の成因がこういうことなら、風に吹かれて気持ちいいなんて言ってる私はかなりオメデタイことになります。どうか笹原になる前に木々が育ってほしいものです。
裸の斜面を見ながら登るのはわずかで、すぐにまた疎林の中の急登となり南のピークに達します。
展望とアカヤシオの笹の頂上:
前袈裟、後袈裟、中袈裟、奥袈裟が一望
|
この頂上はアカヤシオの灌木に囲まれ、背丈の低いミヤコザサに覆われています。なだらかな頂上にしては展望もそこそこ良くて、とくに安蘇山塊が一望です。
ほぼ平坦な鞍部の先で一登りすると待望の1549m峰、なだらかな一帯は笹に覆われ、西側斜面はアカヤシオが密生して、このあたりが弓の手から見上げた一面ピンクの山肌にあたることがわかります。ここからの展望も意外に広く、袈裟丸山群の全容が一望できます。
一息入れて、さて、下山はどうしようか。ここはツツジ平先の大岩から見上げる位置に当たるので、地形図から読み取れるように東の急斜面にさえ入り込まなければどこをどう進んでもとりあえずは登山道に出られそうです。ツツジ平東の落葉松林もはっきり見えますのでもう安心。とはいえ、これまでとうって変わっていきなり笹が深くなり踏み跡もすっかり消えてしまいました。突然山深くなった感じで鹿が何頭も目の前を横切っていくのが見えました。
笹をかき分けながらだらだらと緩斜面を適当に下って行くとひょっこり大岩の基部に出ました。この大岩は最近展望岩として知られてきたようですが、ここから見上げるアカヤシオ群落がたった今歩いてきた1549m峰というわけです。岩上から放り投げたゴミが散らばっていました。この、バカ者!
ここからはっきりした踏跡を左にわずかでベンチのある草地に飛び出しました。ツツジ平から階段で下った地点に当たります。
ツツジ平の展望台まで行って最後に連山の展望を楽しみましたが、ツツジ平のミツバツツジはまだ蕾も堅く満開には10日ほどは必要なようでした。あとは笹の斜面の西に回って(尾根北のシロヤシオの偵察でしたが、もちろんまだまだ開花には日を要するようです。)笹原を突っ切り弓の手コースから折場口に下り、車道歩き30分のアルバイトで駐車地のバラ沢峠に戻りました。
展望台でお会いした皆さんがクルマで追い越す際に便乗をお誘いいただいたのですが、すぐそこに駐車していますので、と辞退したところ、これが遠い、遠い、乗せていただくのだったと後悔しきり。(^_^; とはいえ、頭上のミツバツツジ、シロヤシオ、ヤマツツジなどを見上げながら歩く林道もまた楽しいものでした。ここを歩くとこの林道が袈裟丸山の端っこではなくまさしく山中深く刻まれていることが判ります。田沢奥山から延びる村界尾根やバラ沢峠から続く神戸山など袈裟丸山群は延々と南にも尾根を張り出して、本当に根張りの大きい壮大な山群であることが実感できます。
2020-5-31
ツツジの季節もおしまい:
ヤマツツジ
|
久しぶりの再訪になります。今回一応の目標とした1549m峰はつつじ平やオオノ沢から何回も登っていますがバラ沢峠からの尾根道はじつに15年ぶりです。15年経ってもほとんど変わりはありませんでした。すっかりメジャーになってしまった袈裟丸山群ですがちょっとルートをはずせば相変わらず静寂のままです。
しかしちょっと残念だったのはかつてコメツツジと笹の密生でルート判断さえやっかいだったつつじ平から1549m峰へのルートは歩行者によって踏み跡が顕著になってはっきりした山道ができあがっていました。山頂付近のアカヤシオ純林が知られてしまったからのようです。
例年ならばミツバツツジやシロヤシオが満開の時期ですが春が異常に早足だった今年はもうすでに花も散ってしまっていました。わずかに咲き残ったシロヤシオとあまり多くはないヤマツツジに励まされながら私たちだけの新緑の尾根をたどりました。
コロナ禍でみなさん山歩きまで控えているのか、あるいは今年の季節の移り変わりの早さを知ってか、この時期ならいつもは列をなしている登山者もほぼ見当たらず弓の手コースに出てからさえ数人に会ったのみです。
|
縞模様が特徴的な大岩 |
マルバダケブキ群落
|
マルバダケブキ大群落:
今まで知りませんでしたが弓の手コースの笹原最上部にマルバダケブキが密生していることに気づきました。もちろんまだ花期ではありませんが開花時期の華やかさはどんなでしょう。
そんな満開の光景を想像し笹原最上部で気持ちのよい風に吹かれながら遅めの昼食にしました。 |
|
【便利帳】 |
トイレ:折場口 |
【収穫】(^_^; |
2005-5-22 27片 260g 全て下山時のものです。
2020-5-31 11片 20g |
【寄り道】 |
話題のレトロうどん自販機 丸美屋 みどり市花輪、国道122沿い、袈裟丸からの帰路なら左側です。お客さん、引きも切らず。(^_^)
|