【メモ】 |
水平道をたどる:
弓の手コース笹尾根展望地から30mほど進むと左へ踏み跡があります。かつての作業道が鹿道となって残っているようです。
最初の小沢を越えると展望地から点々と見えたヤマツツジが間近になり、これから未知のルートをたどる緊張感を和らげてくれます。踏み跡(鹿道)は尾根、沢、尾根、沢と横切りながら律儀に水平を守って続いて行きます。
やがて展望地から見える滝の上流の沢に下り立ちますが、ここまで来ると弓の手の賑わいはすっかり遠くなって一人奥山にいる雰囲気がなんとも嬉しい気分にさせてくれます。
沢筋にはコバイケイソウの群落が広がり、咲き残りのニリンソウが一人だけで花開いていました。そのかたわらになんとクリンソウを発見。まだ蕾でしたがこのあたりで見たのは初めてです。
園地の沢:
一旦笹尾根に出ると踏み跡が乱れますが適当に鹿道を拾っているうちにまた水平道が現れるという案配でさほどルートに迷うこともありません。(もっともそもそも道をたどっているわけではありませんが。)
つぎの顕著な沢はゆったり広々した沢で尾根から見下ろすとまるで園地のようです。見上げても悪場もなくこのまま詰めても尾根に出られそうです。弓の手から見るとここにこんな広々とした笹の沢があるなんて思いもよりませんでした。
いよいよ笹尾根を登る:
奥の笹尾根
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最後の尾根はさすがに水平道とはいかず鹿の道を拾いながらかなりの急登となりました。まあ、笹の丈はたいしたことないのでどこを歩いてもいいようなものですが、消耗を考えると鹿の助けを借りるに越したことはありません。
尾根に出るとあとは緩斜面の笹のスロープです。尾根の左斜面はミズナラ、ダケカンバ、ツツジなどの樹林帯で下草もなく歩き良さそうでさらに先へ進みたい気もしましたが、次の大きな尾根まで行ってしまうと登る先は前袈裟になりそうです。これは生半可な体力では保たないと思い諦めました。
相変わらず爽やかな風が吹き抜け気分は最高です。急ぐこともないので尾根を歩いてみたり笹の斜面を横切ってみたりしながらダラダラと高度を上げていきました。樹林帯はミツバツツジ、シロヤシオが惜しげもなく咲いていて、これを独り占めしていいものかともったいない気分です。
下の方から気になっていましたが、眼前にでっかい岩壁が現れました。笹の中にでーん、という奇異な感じです。はて、どっち側を抜ければいいものか。考えた末、尾根側の左が無難と思い急登して尾根を高捲くように抜けましたが、結果的には右側も沢に落ちていることもなく緩斜面でどうということもありませんでした。
ひょっこり気象観測ロボットへ:
そのままツツジに包まれて夢気分でダラダラ登り続けるうち踏み跡がかなりはっきりしてきて人の声も意外な近さで聞こえてきました。
と、ひょっこりロボット気象観測所へ飛び出しました。賽の河原から小丸山への途中のコブにあたります。このあたりの春先のアカヤシオ群落はすさまじく花の季節にはいつもここに分け入って楽しんでいますが、そうか、これがそれだったのかと納得。(ここの踏み跡に分け入って用を足す人が多いらしく、足下がけっこう危ない。(^^;
)
結果的にはもう一つ隣の尾根から小丸山に一気に登ることも可能でしたが、まあ、今回はこれで大満足でした。
小丸山までのいつもの道:
ついでなので頂上を踏んでこようかと前袈裟を目指しましたがけっこう登りで消耗していて、その上小丸山頂上で空を見上げると怪しい雲も出てきたことだし、とここで引き返すことに。
小丸山先のコブにシャクナゲ群落があるのでそこまで足を延ばしたのですが、ちょうど満開で周囲を艶やかなピンクで明るくしていました。
帰りは小丸山捲き道を通り、満開のミツバツツジやシロヤシオをカメラに納めながら散歩気分で戻ってきました。途中一緒になった女性2人組を笹尾根のてっぺんに案内しようとツツジ平から鹿道をたどったのですが、親切(お節介?)のご褒美かこの途中がミツバツツジ、シロヤシオの競演で最後にとんだ拾いものをしました。かえって私の方が感謝です。
(2003−5−4)
ハイキングクラブの仲間と一緒に再訪。なんと、こんなコースで登山者にばったり。向こうもビックリしているようでした。私のとっておきの秘密のコースとばかり思っていましたが。
時季がちょっと早かったせいで下部でアカヤシオが満開となっている程度でした。シロヤシオは蕾をびっしりつけて準備をしていました。 |
【便利帳】 |
トイレ:弓の手コース折場登山口、避難小屋
水場:弓の手コース折場登山口 |
【寄り道】 |
草木湖畔にある草木ドライブインの「草木いも」は絶品です。サツマイモを塩味で揚げたただそれだけのものですがこれがうまいんです。200円で腹いっぱいになりますから2人で1袋買えば充分です。 |