【メモ】 |
アプローチがたいへん:
林道はかなり荒れていました。乗用車で入りましたが出来れば4駆が無難です。林道沿いの新緑の林や渓流はなかなか好ましい景観です。
八重樺原ミズナラ新緑
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八重樺原はほんとうによいところです:
登山口からはいきなり急登を強いられますが、ミツバツツジの花がなぐさめてくれました。またこの斜面はコシアブラが多く帰りに数芽おみやげにしました。約30分弱で待望の八重樺原、小笹とダケカンバとミズナラが絶妙な景観を作っています。ズミも目立ちますので6月には白い花を咲かせるはずです。緩い登りで標高点付近まで達すると右側が小笹の原になって袈裟丸山が大きく前方に現れました。前袈裟の南西斜面はアカヤシオに染まっていました。道はやや下りとなって小笹の中を緩やかに続いています。下りにかかりはじめたあたりの左斜面にはシロヤシオ群落があります。
花の尾根:
さて郡界尾根の登りにかかると次々に花のお出迎えとなりました。最初はミツバツツジのトンネル。アカヤシオもありますが、今はミツバツツジが満開になっている時季ですからすで花も落ちていました。
やがて薄くらい樹林帯に入るとアズマシャクナゲの艶やかな花群が次々と現れます。明るい灌木帯のツツジも艶やかですが暗い樹林にあってこの艶やかさはより印象に残ります。そのうちやや明るい灌木帯になりましたがそこはアカヤシオとシャクナゲの競演、尾根直下のシラビソ樹林帯まで続いていました。
後袈裟から奥袈裟までは深山の雰囲気、これが袈裟丸です:
西に派生する尾根に出ると北側に上州武尊や至仏方面が樹林越しに望めました。程なく後袈裟丸山頂上。周囲を樹林に囲まれて寂しい山頂です。
方向を北にとって藪のかぶる道に入り込むと、そこは深山の雰囲気が濃い野生の尾根となりました。いくつか瘤を越えていきますが、鞍部は一様に八反張りと同じ雰囲気で古い火山質の岩が壁となって東に餅ヶ瀬川源流へと切れ落ちています。
ときたまルートをはずしながらも尾根を忠実にたどって中袈裟を経て奥袈裟まで達したときには充実感いっぱいでした。中袈裟も奥袈裟も樹林の中で展望もなく静寂だけがうれしい頂上でした。ペースを上げすぎたせいで足がつったのでマッサージしながら30分ほど休憩にしましたが、ここの静寂は別格でした。静けさがよそとは違います。周辺何キロかに私1人だけという思いが幸せな気分にさせてくれます。
しばし静寂を楽しんだあとには、奥深い山であるということの証明みたいなうんざりする下山が待っていました。
2000−6−4
八反張りコルのユキワリソウ:
後袈裟と前袈裟との間には八反張りと呼ばれるコルが落ち込んでいます。古い袈裟丸火山の爆裂火口壁の一角で、急峻な上に崩れやすい岩質なので登山道からはずれるとかなり危険です。
その急な壁にへばりつくように桜草の一種・ユキワリソウが群生しています。小振りのニホンサクラソウといえばいいでしょうか、小さなピンクの花が魅力です。
登山道脇にあるだけに心ない人に荒らされないかという心配はありますが、ここまで苦労して登ってきた人にはぜひとも見ていただきたいと思います。
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