【メモ】 |
塔ノ沢:
庭園のような塔ノ沢(枝沢から流れる小滝)
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駐車場には約10台ほどの車が停まっていました。車を弓の手コースに回してそちらから登った仲間の話では折場口には延々と路肩駐車の車が続いていて、あげくはバスまで入り込んで大混雑だったそうですが、こちらは至って静かなものです。
塔ノ沢沿いの登山道はよく整備されて歩きやすく、この冬の大雪の被害も見られません。里に近いほど雪が多かったと聞いていますが確かにそのようです。
いきなり小さな滝が現れます。新緑とよく調和して庭園のような景観です。
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両側から大岩がせり出している箇所もありますが、おおむね広々とした緩やかな沢で道が対岸に移るときも飛び石で渡れて足を濡らすことはありません。最近歩く人が減ったせいか徒渉点で道が薄くなっている場所もありますがいずれにしても道は沢沿いに続いています。
両岸の岩壁にはヤマツツジやミツバツツジが見られ、また足下にはエイザンスミレ、ニリンソウ、ハナネコノメなどの春の花が目を楽しませてくれます。途中何カ所かでシオジがすっくと空に向かって伸びている気持ちのよい林も見られます。
沢筋ですから小鳥のさえずりが心地よいのですがいかんせん野鳥にはからきし知識がなくいったい何という鳥なのか分かりません。 |
優しい沢が続く |
塔ノ沢のシオジ林 |
寝釈迦:
徐々に沢水も少なくなりいよいよ源流部に登って来たことを感じるとやや急な登りになり小さな乗越へたどり着きます。
寝釈迦
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左手上が寝釈迦です。ミツバツツジに囲まれて平和なお顔のお釈迦様です。ふつう寝釈迦と言えば右手枕で顔は西向きの横寝姿ですがここのお釈迦様は少しだけ西を向いてはいますがほぼ仰向けです。レリーフに近い彫り方なのでそう深くは彫れないという彫る側の都合だったのでしょうか。お釈迦様のお側に立つと向かいに相輪の塔が見えます。よくぞあんな形にと思えるような岩塔です。残念ながら新緑の木々に阻まれて上部だけしか見えませんが自然の造形の妙に感心します。(葉の落ちた季節なら全容を見ることができます。)
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塔ノ沢源頭部
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寝釈迦の手前あたりから沢の流れも少なくなり下流域とはまた違った景観になります。岩屑と下草の淡い緑とコバイケイソウの群落とが好ましい取り合わせで、袈裟丸全体笹原やツツジ林のカラッとした感じなのに比べ独特の景色です。
いよいよ沢も涸れると一登りで避難小屋です。古い小屋の隣に新しい小屋が建っていました。
小屋から先はカラマツ林の中のツツジ群生地です。アカヤシオ、ミツバツツジ、シロヤシオが混生しています。シロヤシオはまだまだ開花には日柄を要する様です。
アカヤシオがちょうど満開でした。花を楽しみながらダラダラと登ると賽の河原に飛び出します。
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アカヤシオ群生無名峰へ:
賽の河原で車を回してくれた仲間と合流してとりあえず展望台へ。展望台からはいつもながら気持ちのよい眺めが広がっています。
1549m峰から袈裟丸山群・前袈裟丸山、後袈裟丸山、中袈裟丸山、奥袈裟丸山
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これから目指す1549m峰は頂上部をアカヤシオ純林に覆われた静寂峰ですが展望台から見た様子ではどうも夢のような咲き具合とはほど遠いようです。
展望台の先のツツジ平ではミツバツツジの蕾が枝先にびっしり押し合いへし合いして開花を待っていました。満開の時季にはすさまじいほどの花の海になるはずです。
つつじ平先の大岩から一旦下って笹の中のか細い道跡を外さないように登るとほどなく1549m峰です。南側は樹林で見通しはありませんが、北と西の方向は広く展望が得られます。なんと言っても袈裟丸山群の雄大さ。前袈裟から奥袈裟まで4兄弟が行儀よく並んでいます。明るい南面と深山の雰囲気が濃い稜線との対比が素晴らしく、さらにその前袈裟まで延々と続く稜線の長さも圧倒的です。
その右には皇海山、日光連山が間近に聳え、左には草津や志賀高原の山、四阿山や浅間山、さらに遠く燕岳あたりまで遠望できました。
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皇海山
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しかし残念ながら期待のアカヤシオは先ほど展望台から眺めた通り空振りでした。先日の低温と強風ですっかりつぼみがやられたようで残ったわずかな花が寂しく咲いているばかりでした。今年はどこの山も大当たりだったのに開花時期が天候とマッチしなかった袈裟丸山のアカヤシオは残念なことになりました。
下山は往路をそのまま先ほどの大岩まで戻りますが、鹿道が錯綜していて道のつもりで歩いて行くと笹藪に嵌ります。道跡と鹿道の区別は難しいですが分岐があったらやや左方向を選ぶと正しく戻れます。
登山道に戻ってからはそのまま弓の手コースを下りました。
登山者は多いもののこのコースもまた広闊な笹尾根を眺めながら下る気持ちのよい道です。
笹尾根が尽きると新緑の樹林の道となりミツバツツジが満開でした。 |
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